”蜘蛛の糸”を掴み連覇への階段を駆け上がれ、リヴァプール

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戦績(2021/02/05時点)

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プレミアリーグ

11勝7分4敗 (4位)

カラバオカップ(リーグカップ)

ベスト16敗退

 

フォーメーション

 

現状の戦術分析

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PLAYBACK

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今シーズンも4-3-3を継続。しかし、5節のエヴァートンとのマージサイドダービーで絶対的なディフェンスリーダーであるファン・ダイクが膝を負傷し長期離脱をすると、インターナショナルマッチウィークにはジョー・ゴメスも怪我を負い、シーズン終盤までの離脱となってしまう。さらに、ジョエル・マティップも20節のトッテナム戦で足首の怪我により今季絶望となり、なんとレギュラークラスのセンターバックが全滅という前代未聞の危機に陥ってしまう。まさに”地獄”と形容するにふさわしい状況である。

(ちなみにナビ・ケイタ、ディオゴ・ジョタも負傷離脱中でもはや野戦病院と化している

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レンタルバックのナサニエル・フィリップス、リース・ウィリアムズやファビーニョ、ヘンダーソンをセンターバックに置き、何とかやりくりをしているが、苦しい状況が続いている。特に右サイドはセンターバックにパスの供給役が不在となってしまい、アレクサンダー・アーノルドが高い位置を取れないことが多く、攻撃が停滞してしまうシーンが多々見受けられる。他にも、今シーズンは対戦相手が引いて守ることが圧倒的に多く、重心が後ろに置かれているチームを崩しきれず、逆にボールをロストしてからカウンターを食らって失点するというのも非常に多い。昨シーズンと比べて勝ち点の取りこぼしが目立ち、首位、マンチェスター・シティを追走するも足踏みが続いているのが現状である。

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今季の強み

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苦しい状態が続く中でもやはりチアゴ・アルカンタラの活躍には目を見張るものがある。シーズン序盤の怪我を乗り越えて攻守において存在感を見せている。裏へのアッと驚くようなパスで相手ゴールを脅かすシーンも見られるので今後も活躍を期待したい。

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また、怪我から復活を果たした「ジェルダン・シャキリ」。この男も見逃せない。正確な左足でのクロスや、エリア内などの狭いスペースでの落ち着いたラストパスなど決定機のお膳立てでチームの得点に貢献をしている。またロベルト・フィルミーノとポジションチェンジを行いながら低い位置でボールを受けるなど相手に迷いを生むような動きも繰り返しており、取り上げられにくいが、チームにとっては重要な活躍を見せている。出場すれば必ずチームの役に立つ働きを見せる選手なので、これからも期待していきたい。

 

改善点

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先述した引いた相手の守備を崩しきれないということが一番の問題であろう。ガチガチに引いてくるチームが多く、5-4-1に留まらず、6バックのフォーメーションを採用してくる相手も。その場合、中盤までの前進は容易にできるが、エリア内までなかなか侵入できない、シュートが打てないというシーンが非常に多くなってしまう。サラーのフィジカルを生かし、バイタルエリア付近でボールをキープしても、中央へのパスコース、スペースがなく、結局ボールをカットされてしまうのだ。

しかし、この問題を解決し快勝したのが21節のウェストハム戦である。

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前半、攻めあぐねたリヴァプールは後半から図のような4-2-2-2にフォーメーションを変更したのである。こうして、縦方向への圧力を強めて、ライン間にいる選手が相手を引き付けて、一列奥にいるライン上の選手へと縦パスが通りやすいようにすることで、狭い中央へのスペースへの侵入が容易になった。このような戦術の引き出しがあり、この改善点の解決にはある程度希望が見えているので、今後は引いた相手にもしっかりと点を決めて勝ち切ってほしいものである。

また、筆者の意見ではあるが、トップレベルのセンターバックの確保をしたほうがいいように感じる。もちろん、ナサニエル・フィリップスもリース・ウィリアムズも悪くないパフォーマンスを見せているのだが、カウンター対応や1対1の守備などにはまだ課題が残る。さらに、本職がMFのジョーダン・ヘンダーソンをセンターバックに配置すると先ほども述べたように最終ラインからのボールの供給役がいなくなってしまい、攻撃の停滞も懸念される。そのため、足元の技術に定評がある、かつ対人守備も強いセンターバックを補強できるかがカギになってくるだろう。とは言ってもそのようなパーフェクトなセンターバックが売り出し中なのかは分からないが…。

 

注目選手

ここまでのトップスコアラー

モハメド・サラー

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ポジション:WG

背番号:11

生年月日:1992年6月15日([calc_age 19920615]歳)

身長:175㎝

利き足:左

国籍:エジプト

今シーズンも、やはりこのエジプトの王は別格であった。ここまで15得点でリーグ得点王のサラーは一瞬のシュートチャンスも逃さない。相手のクリアミスをダイレクトでゴールに突き刺したり、ワンタッチでシュートを打つスペースを創出してゴールを決めたりと大暴れ。また、攻撃がストップしがちな右サイドでは、プレミアリーグの屈強なディフェンダーを背負いながら攻撃の起点になろうとしているので彼の働きには頭が上がらない。

前半戦のMVP

ファビーニョ

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ポジション:アンカー、センターバック

背番号:3

生年月日:1993年10月23日([calc_age 19931023]歳)

身長:188㎝

利き足:右

国籍:ブラジル

今季怪我人続出のセンターバックにコンバートされながらも、出場試合では良いパフォーマンスを見せている。以前、数試合センターバックで出場したこともあってか、対人守備も申し分なく、守備の中心となっている。実際彼がいなかったらもっと負けていたことは容易に想像できるため、個人的には彼を前半戦MVPにしたい。ただ、20節のトッテナム戦から筋肉系のトラブルにより欠場が続いているので、一刻も早く戻ってきてほしいところである。

後半戦の注目選手

アレクサンダー・アーノルド

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ポジション:右SB

背番号:66

生年月日:1998年10月7日([calc_age 19981007]歳)

身長:175㎝

利き足:右

国籍:イングランド

見ている人の度肝を抜く右足でのクロスを武器に世界最高のサイドバックの称号を欲しいままにしていた若き天才だが、今季苦戦を強いられている。冒頭でも触れたように思うように攻撃に参加できず、逆に対人守備能力の低さが目立つようになってしまい、パフォーマンスの低下を言われるようになってしまった。しかし、トッテナム戦で見せたように、スペクタクルなクロス、シュートは健在だ。冬の移籍市場でセンターバックの確保に成功したので、彼が本領を発揮するための人はそろった。シーズンの残り16試合、彼から目が離せない。

 

冬の移籍市場について

補強した選手

オザン・カバク

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ポジション:CB

背番号:19

生年月日:2000年3月25日([calc_age 20000325]歳)

身長:186㎝

利き足:右

国籍:トルコ

ドイツの名門シャルケからやってきたトルコ人の若きセンターバック。今季終了までのレンタルでの獲得となった彼は怪我人続出のディフェンス陣の救世主として期待されている(しっかり買取オプションを付けたエドワーズSDは流石すぎます)。正確な右足でのフィードが特徴で、ディフェンスラインから攻撃のスイッチを入れる。また鋭いスライディングでボールを狩り取ったり、フィジカルを生かした相手のブロックも得意とする。まさに、今のリヴァプールに必要な選手である。

 

ベン・デイビス

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ポジション:CB

背番号:28

生年月日:1995年8月11日([calc_age 19950811]歳)

身長:185㎝

利き足:左

国籍:イングランド

こちらのトム・デイビスは完全移籍で獲得。2部のプレストン・ノースエンドから来たセンターバックは貴重な左利き。フィードの精度も申し分なく、また、危機察知能力にも優れ、確実に相手のチャンスの芽をつぶす。まだ1部リーグでのプレー経験はないものの、成長が楽しみなセンターバックである。

 

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放出した選手

南野拓実

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ポジション:IH、WG、トップ下

背番号:18

生年月日:1995年1月16日([calc_age 19950116]歳)

身長:174㎝

利き足:右

国籍:日本

プレミアリーグでの初ゴールを記録した14節クリスタルパレス戦以降、出番がなかった日本の侍はサウサンプトンへの武者修行に旅立った。レンタルでの放出で買取オプションは無いため、彼自身の成長のために放出したと考えられる。狭いスペースでのターンや、戦術理解度の高さからチームにフィットしていることは試合を通して伝わってくるので、後は個人でいかに仕事ができるかがキーとなってくる。サウサンプトンで出番を掴んで、飛躍を期待したい。

 

セップ・ファン・デン・ベルフ

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ポジション:CB

背番号:72

生年月日:2001年12月20日([calc_age 20011220]歳)

身長:189㎝

利き足:右

国籍:オランダ

長身のオランダ人センターバックはベン・デイビスと入れ替わりでプレストン・ノースエンドへレンタルで放出されることとなった。足元の技術や足の速さを生かした裏のスペースのカバーなど19歳とは思えない水準ではあるが、リヴァプールではあまり試合には絡めず苦しい時間を過ごしていた。今後、一皮むけてファン・ダイク、ジョー・ゴメスの鉄壁センターバックのスタメンを脅かす存在になってもらいたい。

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この記事を書いた人

現在大学2年生。2017-18シーズン、アンフィールドでのシティ戦からリヴァプールのファンになりました。体育会サッカー部に所属しており、サッカーに囲まれた生活を送っています。

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