落ちるとこまで落ちたアーセナル。反撃の後半戦へ

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戦績(2021/01/17時点)

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プレミアリーグ<11位>勝点24

(7勝3分8敗 得点:20 失点:19)

FA杯:4回戦進出

カラバオ・カップ<リーグカップ>

準々決勝敗退(vsマンチェスターシティ 1-4)

 

フォーメーション

①3-4-3

 

②4-2-3-1

 

現状の戦術分析

「らしさ」はどこへ?クロス攻撃の連続

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プレミアリーグ第8節のvsアストン・ビラ(0-3)、第9節のvsリーズ(0-0)、第10節のvsウルブス(1-2)あたりから歯車が狂い始めたアーセナル。全くと言っていいほど、得点を取ることが出来ずにいました。

昨季終わりからFA杯にかけてアーセナルは、3-4-3のフォーメーションをメインに使用。”ティアニー・ロール”と呼ばれる、LCBティアニー中心のフォーメーションで、以下の可変システムを用いて復調しました。

しかし、今季途中からRCBホールディングとRWBベジェリンの”エアポケット”の連携ミスを突かれるようになり、アルテタ監督は4-2-3-1の導入で問題解決を図りました。しかし、悪い状況の時には、モグラ叩きのように、問題を解決しても、また新しい問題が出てくるものです。

OMFの適任者は誰なの…?

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4-2-3-1にシフトチェンジすると、攻撃が短調に。アーセナルらしい流動的で少ないタッチでの崩しが全く見られなくなり、攻め手は対極的なサイドからのクロス一辺倒となってしまう事態に。
原因はOMFを中心に、3列目が適切な距離感でポジションを取れないことにありました。彼らが縦パスを受けられない、出せないという悪循環に陥ったことが原因でしょう。その根本的な問題は4-2-3-1の「3」の中央にあたるOMFの人材不足です。OMFには実験的にジョー・ウィロック、本職ではないRWGウィリアンやCFアレクサンドル・ラカゼットを起用しましたが、アタッキングサードでの空洞化問題の解決には至りませんでした。皮肉にも、登録外で干されているOMFメスト・エジルらしいプレーをする選手が不足していたのです。

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また、CFがオーバメヤンが起用されたことも要因の一つですね。彼は、裏へのラインブレイクが得意であり、ゴールに背を向けたプレーはラカゼットの方が明らかに定評があります。

 

救世主がついに

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絶望の淵にいたアーセナルの”救世主”になったのは、アカデミー最高傑作の呼び声高いOMFスミス=ロウでした。大抜擢となった第15節のチェルシー戦での勝利以降、アルテタ監督の信頼を獲得。以降5試合で1G2Aと数字も残したことに加え、暗い雰囲気を打破するほど、周囲を活性化させました。
第15節のチェルシー戦から5試合で失点が僅か「1」のみと、チーム全体として安定感が戻ってきました。11月以降続いていた、OMFの起用や守備陣の不安定さといった問題も解決し、上昇気流に乗りつつあります。

 

PLAYBACK

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アーセナルは昨季から取り組んでいる、チーム全体でボールを握りながら試合をコントロールすることを基盤にこれまで試合を行ってきました。昨季同様GKを含めた低い位置からのビルドアップで相手が前線からプレスをかけてきた際に、剥がしながらボールをミドルサードまで運ぶことは一定数出来ていたものの、ファイナルサード以降の展開に苦労しました。

それにより、攻撃はサイドからのクロス偏重になり、全く得点が奪えず。LSBのティアニーはクロスの質も球種も豊富で貴重な存在でしたが、PA内でヘディングする人材が揃っておらず、身の丈に合ってない攻撃でした。

私自身がアルテタ監督のインタビュー等を見る限り、が理想とするサイド攻撃・クロスとは、ハーフレーンを攻略し、マイナスのクロスやグラウンダークロスで合わせるいわゆる”点”で合わせるクロスをイメージしているのだと思います。

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この得点力不足は複合的な問題として取り扱う必要がありました。アルテタ監督がイメージする”ハーフレーン”の攻略には、バイタルエリアを経由する攻撃がより効果的で再現性が高いです。ですから、必然的にOMFの登用に注目が集まっていました。

今季の強み:若手の台頭

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LSBティアニー(スコットランド代表23歳)PL16試合1G1A5クリーンシート(=以下C)
CBガブリエル・マガリャンイス(U23ブラジル代表23歳)PL12試合2G 0A 3C
☆SB/SMF/CMFメイトランド・ナイルズ(イングランド代表23歳)PL11試合0G 0A 1C
☆OMFジョー・ウィロック(U21イングランド代表21歳)PL6試合0G 0A 0C
☆OMFスミス=ロウ(U21イングランド代表20歳)PL4試合0G 2A 1C
☆SMF/OMF/LSBブカヨ・サカ(イングランド代表19歳)PL16試合3G 1A 2C
☆WGリース・ネルソン(U21イングランド代表21歳)PL2試合0G 0A 0C
☆CFエディ・エンケティア(U21イングランド代表)PL13試合1G 1A 1C

☆…アカデミー出身者(※エディ・エンケティアはチェルシーアカデミーから移籍)

今季は特に若手の活躍が光っています。特にLSBティアニー、CBガブリエル・マガリャンイス、SMFブカヨ・サカはチームにとって必要不可欠な選手であるとともに、アルテタ監督から絶大な信頼を得ています。今後数年は彼らがアーセナルの中心を担うといっても過言ではないでしょう。

 

改善点

攻撃面:オーバメヤンに頼らない攻撃の構築

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今夏、大型契約を結び、近年アーセナルのアイコン的な存在になっているキャプテン&エースストライカーのCFオーバメヤンの流出を阻止しました。その一方で、彼にとって競技面では加入後ワーストのシーズンを送っています。11月12月は慣れないCFを務めましたが、得点がより遠ざかりました。
年末年始で4-2-3-1の「3」の左になったことで、以前よりもボールに絡む頻度が高くなり、ゴールも時間の問題のよな気がします。また、アルテタ監督が掲げる「チームへのコミットメント」の部分では積極的に守備にも参加している点は評価できます。
アーセナルの反撃には、”役者”LWGオーバメヤンが復調し、得点量産が欠かせません。

 

守備面:寄せの甘さ

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第18節vsクリスタルパレスもそうでしたが、相手ボールホルダーへの寄せが緩いように見えました。簡単に前を向かせてしまうプレーやズルズルと下がる守備等、相手のアクションに対して後手のリアクションになっています。

クオリティの高い相手では少しの時間や空間を与えるとゴールに直結するプレーをされてしまいます。上位進出のためには特に中盤のプレー強度を上げ、相手を自由にさせない守備を実践することが必要でしょう。

 

ここまでのトップスコアラー

アレクサンドル・ラカゼット

7ゴール(2020/1/17時点)

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ポジション:CF
背番号:9
生年月日:1991年5月28日(30歳)
身長:175㎝
利き足:右
国籍:フランス

今季途中はシステム変更もあり、ベンチを温める試合や本職ではないOMFでの起用もあり、不満がたまっていた前半戦だったかもしれません。

しかしながら、PLやカップ戦、ELでもそれぞれの試合で、チームに貢献できるプレーをそれぞれの状況で選択し、実行できたことで年末年始には再びCFとして起用されるようになりました。

2021年に入ってからは、OMFスミス=ロウ、RSHブカヨ・サカとの連携も素晴らしく、楔を受け手から、次の局面に移行させるパスは職人芸であり、その後にPA内にも侵入できることからも唯一無二の役割を果たしています。今季は自身初の15ゴール以上は射程圏内です!

 

前半戦のMVP

ブカヨ・サカ

PL:16試合3G 1A 2C

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ポジション:SMF/OMF
背番号:7
生年月日:2001年9月5日(20歳)
身長:178㎝
利き足:左
国籍:イングランド

エメリ前監督の最大の功績は、このSMFブカヨ・サカをシニアチームで起用したことでしょう。今季からSMFロベール・ピレス、OMFトマシュ・ロシツキー、WGアレクシス・サンチェスが着用した背番号7を託されたブカヨ・サカは、自信をもって逞しくプレーするようになり、早くも重みのある背番号を自分のものにしました。

アーセナルのアカデミー出身者ということもあり、マーカーとマーカーの中間ポジションに位置することが得意で、縦パスを受けられ、受けた後のターンも秀逸です。第16節のブライトン戦でも決勝点はターンからのSMFブカヨ・サカのアシストでした。このように、プレーの局面を1つ先に移行する際には大きな役割を果たします。

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OMFで起用されるようになったスミス=ロウとはアカデミー時代からともにプレーしていたこともあり、阿吽の呼吸のコンビネーションでアーセナル攻撃陣を活性化させました。また、様々なポジションをこなせるポリバレント性、インテリジェンスが溢れています。本来RWGであるもののR/LSHやLSBも務め、怪我人が同時多発したアーセナルを救いました。

今季は念願のスリーライオンズ初招集を受け、その際は、なんとLSBでの選出でした。まだ19歳ということで、末恐ろしい才能を持つ選手であると共に、すでに新生アーセナルを引っ張る旗手の存在です。

後半戦の注目選手

エミール・スミス=ロウ

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ポジション:OMF
背番号:32
生年月日:2000年7月28日(21歳)
身長:182㎝
利き足:左
国籍:イングランド

まさに暗闇に差し込んだ一筋の希望の光です。世間では彗星のごとく現れた救世主のような扱われ方をされていますが、グーナー界隈では待ちに待った、待望のデビューでした。

11月~12月にかけてOMF問題が発生したアーセナル、怪我も癒えてコンディションが整ったOMFスミス=ロウ。この両者の状況が完璧に一致し、満を持して大一番第15節vsチェルシーのゲームでPL初先発を飾り、大車輪の活躍をしました。

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アイディア溢れるプレーやパス&ムーブの動き等、全てが全世界グーナーがOMFに求めるプレーを具現化したかのようなプレーぶりでした。オン・ザ・ボールだけでなく、オフ・ザ・ボールでもチームに貢献することが出来る、現代版エジルのような働きぶりでした。

後半戦もこの勢いを継続して大活躍してほしいところです。PLフルシーズン戦い抜いた経験がないだけに心配にもなりますが、行けるとこまで突っ走ってほしいです。若手にも大きな裁量を与え、成長を見守るクラブこそがアーセナルですから。

 

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冬の移籍市場について

(2021/01/17時点)

 

補強ポイント

ポイント①…OMFの即戦力またはバックアッパー 重要度<★★☆>
ポイント②…CBの人員整理/放出 重要度<★☆☆>

獲得の噂

①エミリアーノ・ブエンディア

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現所属:ノリッジ(イングランド・チャンピオンシップ)
ポジション:OMF/SMF
背番号:17
生年月日:1996年12月25日(24歳)
身長:170㎝
利き足:右
国籍:アルゼンチン

何と言っても、彼の特徴は軽やかなステップワーク、スキルフルなドリブルでしょう。昨季プレミアリーグで降格したノリッジで、36試合1G7Aを記録し、ドリブル成功回数102回(72%)、キーパス83回、チャンスメイク90回と降格組としては見事な成績を残しました。今季は2部相当のチャンピオンシップでプレーしていますが、現時点ですでに20試合7G6Aと大暴れしています。

OMF本職がスミス=ロウのみとなっているアーセナルとしてはピッタリな補強であることは間違いありませんが、移籍金が約4000万£or3000万£+ジョー・ウィロックorリース・ネルソンという破格の条件になると報道されており、現実的な選択肢ではないかもしれません。

また、成長著しいOMFスミス=ロウをベンチに座らせるにはもったいなく、破格の金額で獲得した選手をベンチに座らせるのももったいないため、OMFの代役はウィリアン、ジョー・ウィロックに務めてもらうべきだと、個人的には思います。

 

②イヴ・ビスマ

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現所属:ブライトン
ポジションCMF/DMF
背番号:8
生年月日:1996年8月30日(25歳)
身長:182㎝
利き足:右
国籍:マリ

冬に獲得する必要はないと思われるポジションの選手がちらほらと話題になっています。その中でも有力視されているのが、ブライトン所属のMF、ビスマです。クラッシャー系のフィジカルに自信を持っているハードタックルが売りで、中盤に攻撃的な選手を配置しがちなアーセナルにとって中盤の守備を一手に任せられることが出来る存在です。

巷では、CMFトーマス・パーティとCMFビスマがコンビを組めば、「無敗優勝時代”インビンシブルズ”のCMFパトリック・ヴィエラ&CMFジウベルト・シウバのコンビの再来になるのでは?」と噂されています。

気になる移籍金は1300万€程度で、手の出せる範囲ではあります。CMFセバージョスの来季の去就が不透明だとしても、タイプが全く違うために代役として期待はしていないはずです。

 

退団の噂

①メスト・エジル

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ポジション:OMF
背番号:10
生年月日:1988年10月15日(32歳)
身長:180㎝
利き足:左
国籍:トルコ系ドイツ

今夏アーセナルのPL/ELともに登録されていない、現所属メンバーでは知名度が最も高く、2番目の給与を得ている選手です。たびたび本人から出るコメントからは、「契約は全うする」ということを常々発信してきたエジルですが、ついにお別れを伝える時が来たようです。ここ約10年の最大の功労者の1人で間違いありません。今季終了時に盛大に送り出したかったですが、これもまたフットボールです。新天地での活躍を本当に心から願っています。

 

追記:フェネルバフチェへの移籍が決定しました。新天地での活躍を祈っています。
(エジルの移籍については以下の個人noteでも詳しく解説しています!)

 

②シュコドラン・ムスタフィ

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ポジション:CB
背番号:20
生年月日:1992年4月18日(29歳)
身長:184㎝
利き足:右
国籍:ドイツ

③ソクラティス・パパスタソプーロス

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ポジション:CB
背番号:5
生年月日:1988年6月9日(33歳)
身長:186㎝
利き足:右
国籍:ギリシャ

④カラム・チェンバース

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ポジション:CB/SB/DMF
背番号:21
生年月日:1995年1月20日(26歳)
身長:182㎝
利き足:右
国籍:イングランド

アーセナルは現在CBが8人(※ソクラティスは登録外、サリバはレンタル中も含める)も所属しており、いくらなんでも飽和状態です。毎年、同時多発的に同一ポジションの選手が負傷するため、何人いても助かるという本音もありますが、現実的に給与面・年齢面を考慮すると経営的には売却できる方が好ましいでしょう。その対象となるのがこの3人です。

ムスタフィはCBの怪我人続出しているバルセロナからの噂があり、1番高額で売れるのは彼かもしれないですね。なぜなら、時折見せるありえないミスを除けば、完成度の高いCBとして評価が高いからです。

ソクラティスには今夏プレミアリーグ昇格組のフラムから具体的なオファーが届いています。32歳と言えど、その経験やグラディエーターのような姿勢は評価されてしかるべきでしょう。

チェンバースは、怪我によってキャリアが台無しになる可能性が高いです。昨季序盤RSBとして出場した際には安定感のあり、かつ足元のスキルもしっかりしたプレーをみせていました。そのため、レンタル経験があり、守備に不安のあるフラムか、来季の昇格組が手を挙げそうです。
個人的にこの放出候補の中では彼にまだチャンスを与えてほしいと思っています。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

筆者は、noteにてより詳しいアーセナルのレビュー&プレビュー、選手紹介、エジル退団関連の記事等掲載しているので、以下のリンクから遊びに来てみてください!

 

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