【徹底分析】フランク・ランパードの解任は本当に正しい判断なのか

昨日、チェルシーサポーターだけでなく、サッカー界を震撼させたニュース。

 

「チェルシーはフランク・ランパードを解任した」

 

偉大なるレジェンド監督の解任に対しては賛否両論もあり、サッカー界隈はこのニュースで話題が持ちきりです。そこで、今回はサポーターや有識者の意見を引用させていただきながら、フランク・ランパードの解任について徹底的に分析したいと思います。

 

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サポーターの意見は?

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筆者も昨季以降のチェルシーの試合を完璧に追えているとは言える状態にあるわけではないので、Twitterなどで有名なチェルシーサポーターの方々の意見を掲載させていただきたいと思います。

 

Blue is the colour!!さん

 

チームの課題に対し、明確な改善へのアプローチがみられなかった状況から解任は妥当と判断されているBlue is the colour!!さん。しかし、以下のようにも続けており、若手の生え抜きや昨季までの功績はたたえられるべきと述べていますね。

 

テリー小松さん

チェルシーのために渡英し、今でもイギリスに在住してチェルシーを追い続けているテリー小松さんは解任に対し、否定的なコメントをされています。

筆者もTwitterやFacebookの意見を見てみましたが、海外のサポーターも反対派の方が多そうですね。

 

うるとらんぷすさん

個人的な感想は「もちろん悔しい」と述べつつも、自身の見解として「クラブの判断は正しかった」と語っているうるとらんぷすさん。「天秤にかけたうえで」という言葉からも、レジェンド監督特有のいろんなプレッシャーを考察できますね。

 

また、蹴球ジャパンTwitterによるアンケート結果はこちらです。

 

海外の有識者たちのコメント

次は海外の有識者のコメントを見ていきたいと思います。

 

ペップ・グアルディオラ

現マンチェスター・シティ監督

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「人々はアイディアとプロジェクトについて語るが、多くの場合そんなものは存在しない。勝利しなければ、新たな監督に交代するだけだ。ロックダウンが終わったら、フランクとは一緒にご飯を食べたいね」

 

ホセ・モウリーニョ

現トッテナム・ホットスパー監督

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「私はいつも私の同僚が職を失う姿を見て悲しくなります。その中でもフランクは普通の同僚ではありません。彼は私のコーチのキャリアの中で最も重要な人物の一人です」

 

ギャリー・リネカー

元イングランド代表。BBCコメンテーター

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「彼の最初の不振の後(の解任)には、まったくもって滑稽だ。多くの新加入選手が新しいクラブへの適応を感じていることを考えると、常に時間が必要だった。忍耐が美徳であることは、このスポーツではめったに認められない。彼らは決して学ばない」

 

解任の分析

Goalのチェルシー担当であるNizaar Kinsellaさんはランパード政権下のチェルシーの特徴を以下のようにまとめています。

メイソン・マウントは、フランク・ランパードの下で他のどの選手よりも多く出場しました(80)。彼の最後のゲームで、彼はジョン・テリー以来最年少のキャプテンになりました。

タミー・アブラハムは、ランパード政権下において、トップスコアラー(29得点)です。

1試合あたりのポイントはわずか1.67で、これはアブラモビッチ時代で最低でした。

 

ランパードの功績

若手の台頭

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先のツイートにもある通り、若手を大きく成長させた手腕は評価されるべき功績であり、今後に向けた明るい遺産でしょう。

特にチェルシーという世界屈指のビッグクラブにおいてメイソン・マウントやタミー・エイブラハム、ビリー・ギルモアといったアカデミー出身選手が活躍できたことは成功事例ですね。ユース出身選手の流出を繰り返していた悪いサイクルを断ち切ったという意味でも、ランパードの功績は大きいでしょう。

 

2019シーズンの功績

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昨季は移籍禁止処分となり、補強が1人も許されないという厳しい状況下で開幕を迎えました。そのなかで、当時は監督としてダービー・カウンティでの指導歴しかなかったランパードの就任となれば、下馬評が低くなるのも自然の流れです。

しかし、そんな危機的な状況を乗り越え、プレミアリーグを4位でフィニッシュ。CL出場権を獲得することにも成功し、今季開幕前は大型補強に成功しています。このランパードの功績は称賛を浴びるべき理由の1つですね。

 

ランパードの解任理由

・直近の成績

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終盤5試合で1勝1分3敗。ライバルのアーセナルに敗れてからは攻守のバランスにおいて難があり、うまく舵取りができていなかった印象を持ちます。

また、ランパードの戦術家としての評価は懐疑的な意見もあり、チームの課題解決へのアプローチが見られなかったのも理由の1つでしょうか。

ルートン・タウン戦では快勝したものの、その後解任になったということもあり、この試合前から人事については決まっていたのではないかという見解も多いです。

・マリナ氏との対立

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就任後、クラブサポーターやフロント・チームを団結させたとされているランパード。それだけレジェンドの帰還はブルーズのサポーターだけでなくクラブ全体へ期待感を抱かせたものでした。ですが、The athleticによると、ランパードはチェルシー役員であるマリナ・グラノフスカイア氏との対立があったと報じられています。

アブラモヴィッチとともにロンドンへやってきて、以来ブルーズで非常に大きな権力を持つようになった役員のマリナ氏との対立も解任理由の1つにあるのでは…とささやかれている様子です。

チェルシーの今後展望

後任はトーマス・トゥヘル氏が濃厚

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この時期での解任ということもあり、ほぼ後任が決まっているということが妥当でしょう。Sky Sportsのジャーナリストであり、信憑性の高い人物としても知られるFabrizio Romanoも以下のような発信をしています。

「チェルシーの新監督としてのトーマス・トゥヘルの発表は『時間の問題』。事務処理と契約は完了する予定です」

 

戦術家として世界最高峰の監督であり、実績も十分なトゥヘルの就任には期待の声が上がっており、後任人事としてはポジティブな意見がほとんどです。ランパードが作った規律を重視し、アグレッシブさと貢献性を兼ね備えたチームを引き継ぐと考えたら、チェルシーファンでなくても楽しみですね。

 

ネックとなりそうなのはフロントとの関係性でしょう。PSGの解任もフロント陣との対立が原因だったとされており、特にレオナルドSDとの関係性は悪かったと報じられていますね。

 

チェルシーでも重要な存在として君臨し、よりその権威が強まっているマリナ氏との関係はトゥヘルにとって最大の障害となるかもしれないです。

 

また、就任時期については、次のウルヴズ戦にも指揮できることを期待しているとのこと。

選手同士の対立?!

Daily TelegraphのMatt Lawさんによると、キャプテンであるセサル・アスピリクエタとアントニオ・リュディガーがもめたとの話があるようです。

ランパード政権ではユース出身の若手選手組が台頭したのは好材料でしょうが、その一方で出場機会を得られなくなった選手も多いのは事実。そのため、選手間で派閥ができてしまっており、溝があると噂されているようですね。

一部には「ユースだから特別扱いを受けている人も多いと批判される」という意見に不満を持っているとも言われています。後任監督は選手たちを1つの集団にまとめあげることも重要な役割となりそうですね。

 

まとめ

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IQ150(0.1%しかいない)という伝説を持つ頭脳とサッカーに対する深い理解と選手としての実績…そして何より仕事への情熱を兼ね備えた監督は稀有でしょう。

 

彼の今後はチャンピオンシップからの再スタートを予想する声が多いです。ダービー・カウンティでのキャリアは申し分ない実績だったとも言え、もし就任することが決まったら、再びイングランドサッカー界のビッグニュースとなるのは間違い無いでしょう。

 

ウェイン・ルーニーやジョン・テリーといったイングランドのレジェンドたちと、今度は監督としてぶつかる日もごく近い将来かもしれないですね。かつてのアイドルだった選手たちが再び相見えるのが楽しみです。

 

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チェルシーにおける「フランク・ランパード第一次政権」は終了しました。

ですが、マウントやエイブラハムを筆頭とするチェルシーアカデミー出身の選手たちがこれからも活躍することができたら、ランパードの功績によるものと言っても過言では無いはずです。

 

彼の今後のキャリアが素晴らしいものになると信じています。いちフットボールファンとして「スーパーフランク」を応援したいと思います!

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この記事を書いた人

イングランドサッカーにハマり、2011年にはデレ・アリ、アケ、マグワイアなどのブレイクを予告していた人。イギリスで「スカウトになった方が良い」と言われた元サッカーコーチ。Shefffield Unitedに惚れ込んでいます。

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