インヴィンシブルズの復活へ、アーセナルのクラブヒストリーを紐解く

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アーセナルの黄金期

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日本にアーセナルの名を知らしめたのは紛れもなくアーセン・ヴェンゲル監督でしょう。彼は、約4半世紀の間アーセナルの監督を務めました。90年代後半から00年代前半には、フレンチ・コネクションを活かした4-4-2を基本とするチームを構成。前線のティエリ・アンリ、デニス・ベルカンプ、フレドリック・ユングベリ、ロベール・ピレスを中心としたショートパス&ダイナミックなサッカーを展開し、03-04シーズンにはPLでのクラブも達成したことのない「無敗優勝」(38試合26勝12分0敗)を成し遂げました。”Invincibles”と称され、歴史に残るチームとなっています。

黄金期からの衰退

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無敗優勝から2年後の05-06シーズンにはグループステージ3節から決勝まで10試合連続無失点という大会記録を樹立し、クラブ史上初のCL決勝まで進出しました。しかし、優勝目前でロナウジーニョ擁するバルセロナに逆転を許し、悲願達成とはならず。この敗北を機に、アンリらは退団を決意し、”Invincibles”は完全に崩壊しました。

エミレーツ・スタジアム移転後

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2006年にはアーセナルはスタジアムの移転し、古き良きハイベリー・スタジアムからモダンなエミレーツスタジアムに移りました。莫大な建設費が必要となることに加え、ライバルクラブ程の給料を用意できないことから、毎年のように主力選手が移籍していきました。それでもヴェンゲル監督は、若手選手やアカデミー出身の選手らを毎年抜擢し、主力に育て上げながら、CL圏内である4位を死守し続け、「PLで4位に入ることはタイトル同様の価値がある」と言い放ちました。CLに出場し続けることは、クラブのブランドの維持、多額な放映権や賞金の獲得等、クラブ運営には欠かせないもので、ヴェンゲルの功績とも言えるでしょう。

主力選手の移籍例:

ロビン・ファン・ペルシ

セスク・ファブレガス

サミル・ナスリ

ガエル・クリシー

エマニュエル・アデバヨール

マシュー・フラミニ

アレクサンドル・フレブ

コロ・トゥーレ

アーセン・ヴェンゲル政権後期

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しかし、ヴェンゲル監督の神通力である「4位力」は陰りが見え始めました。今やビッグクラブとなったマンチェスター・シティの台頭や放映権の高騰から4位争いは熾烈を極めるように。

そして、2010年代後半、ついにCL圏内から脱落。これにより、WengerOut(ヴェンゲル解任)の世論が大きくなり、この状況を耐え兼ねたフロントは2018年4月22日に退任を発表することに

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ヴェンゲルのアーセナルでの長期政権はこれにて幕を閉じましたが、フィジカル能力よりも創造力、ボールスキル能力に特化した選手であるエジルやカソルラ、ラムジーらを中心とし、パス&ムーブのサッカーで魅了。最大火力時はその年のCL優勝チームをも打ち破る強さを発揮するなど、エキサイティングなチームでした。

・FA杯優勝…3度達成

・歴代最多優勝監督(7回)

・クラブとしても当時13回(現在14回)と、歴代最多優勝クラブに

ヴェンゲルの後任はウナイ・エメリに

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ヴェンゲル監督の後任には、当初、現監督であるミケル・アルテタ監督を就任させる流れだったとのこと。ですが、熱血なプレゼンに心動かされたフロントは監督経験豊富で欧州タイトル経験のあるウナイ・エメリ監督を指名しました。就任1年目はホームでノースロンドンダービーで逆転勝利(4-2)を飾り、ホームに熱狂的な雰囲気を取り戻してくれました。相手に合わせて選手やフォーメーションを変更させる手腕から「カメレオン・フットボール」と呼ばれ、初年度は選手交代も的確でした。ですが、2年目となった19-20シーズンはアーロン・ラムジーが退団し、交代策も当たらなくなり、勝ち星を重ねられず選手・サポーターからも見放され、2019年11月29日に解任されました。ですが、マテオ・ゲンドゥージやルーカス・トレイラ、ブカヨ・サカ、ジョー・ウィロック等の若手育成、起用に前向きで残した財産は大きなものでした。

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なお、エメリ監督後は、アカデミー監督であった”フレディ”ことユングベリがトップ昇格し、暫定監督に就任し、つなぎ役となりました。

ミケル・アルテタが監督として復帰

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その後、ヴェンゲル監督時代キャプテンを2年間務めたミケル・アルテタ監督が2019年12月20日に就任しました。コロナ中断期間まではエジルを中心とした4-2-3-1のフォーメーションで、ペップから薫陶を受けた香りを残しながら5レーンを意識したサッカーを展開しました。中断期間明けからは、エジルが起用されなくなり、3-4-3の新システムを構築。GKからパスを繋ぎながら、前進するアグレッシブで攻守の切り替え早いサッカーに移行しました。(※エジルが干された理由は諸説あり) 

FA杯では準決勝マンチェスターシティ、決勝ではチェルシーと下馬評を覆してクラブとしては14回目、アルテタ監督就任後初タイトルを獲得しました。リーグ戦でも無敗優勝に最も近づいたリバプール相手にホームで2-0と完勝し、名門復活の狼煙をあげ、20-21シーズンへの期待は大きくなりました。

 

なお、詳しい選手紹介や試合ごとのプレビュー&レビューは下記のnoteで投稿しているのでそちらも是非、ご覧ください!!

note(ノート)
いったー|note アーセナルについて。00年代のセスク率いるアーセナルが好きでハマった都内大学生から社会人2年目を迎えました。Jリーグでは大分トリニータ。プレミアリーグ好きです。欧州...
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この記事を書いた人

セスク・ファブレガスの虜になり、アーセナル推しになった都内大学生。グーナーになり約10年経ち、もはや人生の一部になりつつあります。個人noteでは、マッチレビュー、選手紹介等、現地観戦記もアップしていっています。Jリーグでは大分トリニータ推し。

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