クラブ紹介:「育てて売る」ユース上がり中心の「赤い奴ら」オサスナ

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CAオサスナ(クルブ・アトレティコ・オサスナ)

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CAオサスナは、スペイン北東部に位置するナバーラ州・パンプローナに創立された。2020年、創立100周年を迎えた歴史あるクラブである。

チーム名のオサスナは地域名ではなく、バスク語で「健康」という意味。

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国内タイトルとはまだ縁がなく、リーグ戦は4位(1990-91・2005-06)、コパ・デル・レイは準優勝(2004-05)が最高の成績だ。

UEFAチャンピオンズリーグには、2006-07シーズンに1度出場しているが、こちらは予選3回戦敗退に終わり、惜しくも本戦出場を逃した。しかし、同シーズンのUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)ではベスト4の成績を残している。

2000年以降はプリメーラ(1部)で戦い続けていたが、ここ数年はプリメーラとセグンダ(2部)を行ったり来たりしているので、「エレベータークラブ」と揶揄されている。

クラブの特徴

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このクラブの基本方針は「育てて売る」。下部組織で選手を育て、他クラブへの移籍で発生する移籍金も収入源として重視されるクラブだ。この利益を使い、クラブ運営を円滑に進めたり、選手や設備へ投資している

経営規模が大きくないオサスナは選手育成に力を注いでおり、トップチームを頂点とした育成ピラミッドは11段階に分けられている。

なお、オサスナのトップチームは下部組織上がりの選手が顔を連ねており、トップチーム全体の約3人に1人は下部組織出身者である。(7人/25人)

オサスナのアカデミーから活躍している選手例

アスピリクエタ(チェルシー)

ハビ・マルティネス(バイエルン・ミュンヘン)

ライバルチーム

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隣の州に拠点を置くアスレティック・ビルバオとはライバル関係にある。

(と、オサスナ側が一方的に思っているという説も…

下部組織の選手がビルバオに奪われることもあり、サポーターの中でも敵対視する声が多い。ホームタウンであるパンプローナの人口は20万人足らずと決して多くはないものの、下部組織上がりの選手を次々と国内外に輩出し、なおかつチームもトップディビジョンに居続けるのは決して簡単なことではない。

愛称…ロス・ロヒージョス(Los Rojillos)

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スペイン語で「赤い奴ら」という意味である。シンプルでかっこいい。

エスタディオ・エル・サダール

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パンプローナ市内を流れるサダール川の近くにスタジアムがあることが名前の由来。

2005年から2011年まではナバーラ自治州政府がオサスナのスポンサーとなっていたので、名称が「エスタディオ・レイノ・デ・ナバーラ」に変更されていた歴史もある。

1967年に開場し、当時の収容人数は17,286人であった。
ピッチサイズは104m×67mで、国際基準(105m×68m)とほぼ同じ広さである。

改修前のスタジアムはこのような感じ。
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スタジアムの老朽化に伴い、2019年から2020年にかけて全面改修が行われた。それに伴い、収容人数は24,400人まで拡大その際、サポーターたちの投票で最も人気だった「Muro Roja(赤い壁)」というデザイン案が採用された。

フォーメーション

4-4-2のオーソドックスなスタイル。両サイドのR・トーレス、R・ガルシアの高い技術と2トップを組むカレリとブディミルの高さを生かした攻撃で得点を狙う。

監督:ハコバ・アラサテ

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[calc_age 19780422]歳のスペイン人監督。

2018‐19シーズン、当時セグンダだったオサスナの監督に就任、初年度チームを3年ぶりのプリメーラ復帰と57年ぶりのセグンダ優勝に導く。

2019-20シーズンは、序盤から安定した戦いを披露し、13勝13分12敗の勝点52、10位という成績を残した。

(この年のビルバオは11位。1つ上の順位だったことで喜んでいたファンも多いとか。)

データ分析が得意で、堅実なサッカーで勝点を拾っていく。また、限られた戦力をうまくやり繰りする能力にも長けており、対戦相手によってフォーメーションを変えたりもする。

ブラウリオ・バスケスSDとの関係も良好であり、チームの成績次第では、長期政権も十分に考えられる

20-21シーズンの注目選手

要注目:ロベルト・トーレス

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ポジション:SH

背番号:10

生年月日:1989年3月7日 ([calc_age 19890307]歳)

身長:178㎝

利き足:右

国籍:スペイン

パンプローナ出身で、下部組織からオサスナ一筋の31歳。右足から繰り出される精度の高いパスで局面を打開できる中盤だ。また、ボールをキープして確実に味方に繋げてくれるので、どんな場面でも頼りになる存在である。

2019-20シーズンは7ゴール8アシストを記録し、チームをプリメーラ残留に導く原動力となった。特にバルセロナとの2試合では3ゴールをマークするなど、強敵を相手にしても存在感を示している

ヤングスター:ホン・モンカジョラ

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ポジション:CMF

背番号:27

生年月日:1998年5月13日 ([calc_age 19980513]歳)

身長:189㎝

利き足:右

国籍:スペイン

下部組織出身。2年前まではテルセーラ(4部)でプレーしていたが、トップチームに昇格すると、すぐさま主力として定着。鋭い出足で相手からボールを奪うハードワーカーで、自らドリブルで持ち上がることも可能。U-21スペイン代表にも選出されており、今後どのようなキャリアを歩むのか非常に楽しみな選手である。

近年の結果

2015/16 セグンダ6位
2016/17 プリメーラ19位
2017/18 セグンダ8位
2018/19 セグンダ1位
2019/20 プリメーラ10位

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この記事を書いた人

Jリーグの徳島ヴォルティスをこよなく愛し、主にアウェイ戦で現地に出没する観戦バカ。

Jリーグのボランティア活動にも力を入れている。

某スペイン人指導者をきっかけに、2020年からCAオサスナのサッカーを見始める。

好きな食べ物はサバの味噌煮と茄子の揚げ浸し。

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